top of page

甲斐農園

3902F60A-5913-4595-B1A0-12D1C5AA801E.JPG

甲斐直樹さんインタビュー

​大事に抱き続けるつよい想い

本当に望むことを

安芸津でジャガイモ、レモン、ミカンの栽培を行っている甲斐農園。本当に望むことなら叶うと証明した実体験から、土地と人への想いについて、代表の甲斐直樹さんにお話をうかがった。

19D95CB3-A941-494F-98A4-7F24CB5AE105.JPG
4DA98543-1BDE-4B90-868C-0F881E4CB92D.JPG
775902BC-492D-4E1C-8E2D-DF67B23E85CF.JPG

​土地と思いとの出会い

千葉県から安芸津に移住し10年以上が経つという甲斐さんは、どのような変遷で安芸津と出会い、どのようにこの地と共に進んできたのだろうか。千葉県出身の甲斐さんは、千葉県で農業の会社に就職をしたことがきっかけで農業に出会う。そこで農業の面白さを感じたことから、日本各地の農作物、農業のスタイルを見てみたいと思い、たまたま広島県のジャガイモ農家さんの住み込み農業研修を見つけ、応募した。「広島瀬戸内」「赤土のジャガイモ」のキーワードに惹かれたのだという。そうして住み込みで働いているうちに地元の農家さんとも仲良くなった。「頑張れ」と声をかけてもらうなどの、安芸津の人のあたたかさや、安芸津ならではである温暖で穏やかな広島瀬戸内の気候風土に魅了される。地元の方と関わってくうちに、この安芸津で頑張りたいという思いが芽生えたのだという。
「僕の地元は農家じゃないんですけど、将来的に農家で独立したい、千葉が地元なんで千葉で独立したいとは思ってたんですけど。でも僕の気持ちが、覚悟が決まったタイミングが広島にいる時だったんですよね。」

推進力はつよい思いの後押し

農業で独立するという想いはずっとあったが、気持ちが固まったタイミングが安芸津であったと話す甲斐さん。この機会を逃しちゃいけないぞ、と強く感じたという。
「この地域の人と仕事でもプライベートでも関わって、地域の方に声かけてもらえるのがすごい嬉しくて。名前も覚えてもらって。「僕農家になりたいんです」って言ったら「おお、頑張れ頑張れ」ってちゃんと聞いてくれて、応援もしてもらえて。後押ししてくれたってのが、ここで農家をしようと思った理由として大きいですね。そこから地元の農協や役場に相談しても「頑張れ」って後押ししてくれたのも重なったかな。自分がやりたいって想いが、地域も周りも応援してくれたってのをすごい感じたんですよね。各地を転々としている中で、「農業やりたいんです」って言ったら「いやいや素人ができるもんじゃない」とか、「独立して始めるなら最低1500万は必要だ」とか結構現実的なことを農家の方は正直に話してくださったんですけど、その重要性を当時の僕はそれがわからなくて。やりたいって思いだけあったんですよ。でも安芸津の方はその思いの部分だけを汲み取ってくれて。気持ちの部分を地域の方が支えてくださった。」
甲斐さんは想いの強さで、どんどん地域と人と繋がっていった。強い気持ちが推進力となり、そうして想いに応答するようにひとつふたつと願いが叶っていく。

95E2CC8D-5779-47B9-8823-11388ECC3288.JPG
3638B7BC-C2A4-424F-9FC2-67400B54FC05.JPG
6B4C9F02-9D5D-4F56-AC05-B2B23D117DA8.JPG

いつでも受け入れてくれる場所

その後甲斐さんは、柑橘農業の担い手育成のための『広島県果樹農業振興対策センター』という研修場で研修した後に、農園の後継者を探していた農家さんから畑を引き継いで、甲斐農園を始める。当初農園の後継者を探していた農家さんからは「本気なら応援しちゃる」と、機械を貸してもらったり、軽トラをもらったりした。そうして10年間農業を安芸津の地で続けてこられたのは、無鉄砲だった甲斐さんを安芸津の人々に応援や後押ししてもらったことが1番の原動力だという。本当に望むことなら叶うと証明したのが甲斐さんだ。それが叶う場所は、出会いに意味を持たせてくれる人々でできている安芸津だ。
「本人の気持ち、覚悟と気持ちがあればもう大丈夫。僕らはそれに応えます。間違えないです。僕は気持ちが大事だと思ってます。資金があるってのも大事なんですけど、それより一番は気持ちが大事。なぜかというと、それはそこに移住したり仕事したりっていうのはそこの地域の人になるってことなんで。ある程度気持ちがないと地元にも馴染めないのかなって。やっぱ地域の一員にならないと、そこで何か立ち上げようってしても自分の仕事はうまくいかないのかなって。」

強い想いのある人が来たとしても、安芸津には受け入れてくれるキャパがあり、これからも間口は広がっていく、と話す甲斐さん。安芸津の農家さんには高齢で畑をやめようとしている農家さんもいる。甲斐さんのように、そこへ畑が荒れる前にやる気のある人が来て、その畑を担うような循環型のサイクルもいつでも叶うのだという。決まった仕組みがあるわけではないが、いつでも受け入れてくれる人と土地が安芸津にはある。

0681777C-D65D-44D4-9DCE-3233A4AD924D.JPG

軌跡が重なる土地

軽トラの荷台に乗せていただき、甲斐農園の農場に連れていっていただいた。山を登ると、そこには美しい赤土と瀬戸内海が広がっていた。人が生き、山に還り、また海へと生まれてゆく軌跡が見えるような景色だった。
「安芸津の好きな場所は畑の天辺から見える海の眺め。山から見える海の眺め。ここを見て、安芸津で農業やろうって決めました。」

05B369E0-7195-4711-B1DD-AAC412335522.JPG
53F7F7A0-025E-4393-942D-B7D5744A32FE.JPG

課題をいかに受け入れていくか

安芸津には課題がたくさんある。しかし課題がたくさんあるからこそ、課題に対して何かアクション起こす際、気が付いたら自分たちが中心になって常に関われているのが楽しいという。
「人口は減少していって、それを止めるのは、もう無理だ。だからまず受け入れよう。その中で地域を残っているもので存続させて、回っていくかつ地元の人がみんな役割を持てる仕組みができないかなって話し合いをしていく。話をしてたら楽しいですね。自分が関われてる感覚がある。やっぱり結果的にそれが自分の家族だったり、仕事や生活に返ってくるしね。そういう課題やら負の面がある一方、希望があると感じますね。」
今は課題をどう受け入れて、どう向き合っていくかの段階だ。10年後、20年後、どうなっているかわからない。だから、課題解決のための渦中にいるのが楽しいのだと話す甲斐さん。安芸津の中からまちを担う姿勢に、まちの今後のヒントが見えたような気がした。

A421B577-BE3A-40C5-AD97-67A666B8C720.JPG
8BAB1EF4-F0AA-4D09-86E6-E3BA8EC2394F.JPG

甲斐農園と

あしたに

「とにかく気持ちが一番、まずそこですね。自分がやりたいと思うことがあれば、そこを一番大事にしてほしい。そしてそのことを周りの人、移住した地域の人たちに相談してみてほしい。そうすれば必ず、自分の気持ちが本当なら絶対応援してくれる人が出てくるし、一歩ずつ進んでいけば必ずいろんなものがついてくる。結果時間がどれだけかかるかわからないけど、必ず形にはなると思う。それを実現してくれるのが僕にとって安芸津だった。僕はここで農業を始められてよかったなって思います。」

2023年8月19日

​会社概要    

農園名
甲斐農園
代表者
甲斐 直樹
定休日
日曜日
住所
農園事務所
〒739-2401 広島県東広島市安芸津町木谷4462
本社
〒739-2401 広島県東広島市安芸津町木谷5237-1
​電話番号
080-5054-4607
営業時間
9:00~17:00
事業内容
ジャガイモ・レモン・みかんの栽培、加工品製造
bottom of page