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森尾水産

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森尾龍也さんインタビュー

生きるために。

海と応答し合いながら、

一年中新鮮で美味しい牡蠣を楽しむことができる牡蠣小屋「龍明丸」を安芸津で経営しながら、安芸津の海で牡蠣の養殖を営む森尾水産。西陽が反射する安芸津の海の男である代表の森尾龍也さんに、自然を相手に仕事をすることについてお話を伺った。

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トップレベルの牡蠣の養殖

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広島県の牡蠣の生産量は、年間2万トンで全国シェアは日本一。国内の牡蠣の需要の過半数を供給している。数多い広島牡蠣の中でも、生産者がこだわり育て、厳しい規格をクリアした選び抜かれた牡蠣を「プレミアムトップかき」として広島県が認定している。現在僅か9軒の生産者のみが認定され丁寧に育てられた広島県の全生産量の約0.3%にあたる希少な牡蠣を養殖するうちの1軒が、ここ森尾水産である。森尾水産では基本的に、10~15人で牡蠣を養殖、販売している。定期的に技能実習生も受け入れ、技術を継承している。
そして、養殖した牡蠣を自分の目の前で牡蠣を焼いて食べることが出来る牡蠣小屋「龍明丸」では、1年中牡蠣を楽しむことができるのが魅力だ。
「気づいたら噂が広まって、気づいたら10年経ってて。冬は予約しないと入れなくて、最長3時間待ちもあったみたいです。」
と、牡蠣小屋の人気について話す森尾さん。仲買業者相手であると中々感じられない「売れている」という実感が、店頭にて販売・購入してもらうことで実感できるのだという。牡蠣小屋であると、目の前で反応がもらえることも相って、「なおダイレクトに伝わる」、と話す。

 

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養殖に費やす時間

森尾水産での牡蠣の養殖は、ホタテの貝殻に牡蠣の稚貝を付けて大きくする。ホタテは形が揃っていて量も確保できるからである。昔は牡蠣の養殖で獲れた牡蠣の殻を活用していたらしいが、基本はどんな貝の殻でも養殖が可能らしい。
養殖はまず、牡蠣の赤ちゃんを海から獲ることから始まる。海の中で泳いでいる稚魚を捕まえ、そしてホタテに引っ付ける。そこから潮の満ち引きを利用し、餌を食べさせる期間と食べさせない期間を設ける。そうすることで強い牡蠣になる。そして育った強い牡蠣を、牡蠣イカダに移動して更に育てるのだという。
「種をとって1年抑制、その1年後にイカダに移動して、また1~2年かけて育てるんですよね。まあ食べるまでに2~3年は時間がかかりますよ。」
そう、牡蠣が私たちの元までかかる時間について説明してくださる森尾さん。森尾さんの毅然とした話し方に、養殖の大変さと手間暇の膨大さを感じ、食に対する有難さを再認識することができた。

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安芸津に住み、
安芸津から全国へ牡蠣を広めている安芸津人

前述した通り、牡蠣小屋「龍明丸」では、1年中牡蠣を楽しむことができる。夏の牡蠣の品種名は「牡蠣こまち」。30年前から夏にも食べられる牡蠣の品種ができたが、「牡蠣こまち」の販売を森尾さんが始めて、約15年になるという。販売力と生産力のある森尾水産では、現在「牡蠣こまち」の生産量がトップの広島県の中でも1位に君臨している。
「広島県の夏の牡蠣の生産力は7分の1くらいのシェアをうちは持ってます。夏に販売するのも僕が始めて、牡蠣こまちの品種としても初めてなんですよ。」

そう話す森尾さんのバックでは、森尾さんの海への関わりへ応じるように安芸津の海を陽が照らしており、つい目を細めてしまった。

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​あしたに

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森尾水産と

自然が相手ゆえに、万が一もあり、売れるとわかっているものの、作るためにも莫大なお金がかかるため怖い面やリスクもあるという。森尾さんは、ほとんど年末と元旦と誕生日にしか休まない。養殖牡蠣に必要な繊細な働きかけや、仕事に対する熱心な想いが感じられる。森生さんは、自分が作ったものが売れることが嬉しいのだという。費やした労力が目に見えて応じてもらえる喜びが、また次に繋がるのだろう。不確実なものに対する慄きは、人間に関与ができない領域である以上は尽きないはずだ。しかし森尾さんのまなざしは、しかと前を向いていた。

2023年7月28日

​会社概要

店名
龍明丸
営業日
不定期(SNSのサイトにてご確認ください)
電話番号
080-1925-6597
SNSサイト
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